妙雲蘭若について

斯れは是れ陋寺なれども、惟だ吾が徳のみ馨し。

妙雲蘭若は、近代の高僧・印順導師(1906〜2005)によって創建されました。1963年の初秋、導師は嘉義仏教会の招きで5日間の講経を行い、それが縁となって同年の晩秋にこの地を購入し、庵を結ぶことになりました。嘉義市郊外のこの地は、日本統治時代には大崗山派の義敏上人が難を避けて庵を結び、のちに日本の禅僧・南天謨禅師も住した、古くからの静修の地です。

1964年5月26日、釈尊の聖誕の日に、導師は蘭若で「掩関遥寄」を著し、諸縁を捨てて静修に沈潜する決意を表しました。閉関中には『説一切有部を中心とする論書と論師の研究』を著し、その後も『妙雲集』の一部の編纂、『原始仏教聖典の集成』『中国禅宗史』、自伝『平凡なる一生』などの重要な著作が、閉関中あるいは出関後に戻った時期に完成しています。

大殿の正門の上には于右任氏の揮毫による「妙雲蘭若」の扁額が掛かり、両脇の石柱には弘一大師の対聯が刻まれています。関房の円窓、机、仏龕、手稿は当時のまま保存され、大殿は台湾檜の構造と1960年代の寺院の趣を今に伝えています。

創建から半世紀余り、慧理法師と常光法師のもとで比丘尼の僧団が築かれ、妙雲学園、嘉義市中心部の妙雲講堂と妙雲教育事務基金会が設けられ、導師の「内に修め、外に弘める」精神が受け継がれています。2003年に導師自ら起工式を行った新大殿の5階には、印順導師記念館が設けられています。

ガイドを始める 印順導師

自己如水面的一片落葉,向前流去、流去,忽而停滯,又忽而團團轉。因緣,是那樣的真實,那樣的不可思議!

「自分は水面に浮かぶ一枚の落ち葉のよう。前へ前へと流れゆき、ふと止まり、またくるくると回る。因縁とは、かくも真実で、かくも不思議なもの」

——印順導師『平凡なる一生』より